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レンズの焦点距離(f)から視野角を求める計算をまとめます。
レンズの焦点距離と視野角・画角の概念図
レンズが見ている範囲を表現するとき画角と言われることもあります。ここでは、レンズが見ている角度を視野角 (FoV : Field of View)とし、単位は角度で表現します。
画角は写真を撮影したときに写っている範囲として扱います。
なお、本ページでは通常レンズ(中心射影方式)の想定で計算してます。魚眼レンズ(等距離射影方式)では計算式が変わりますので、その点ご留意ください。
フルサイズのイメージセンサの大きさ
レンズの焦点距離は35mmフルサイズ換算の値が出てくるため、フルサイズのイメージセンサの大きさを確認します。多くのサイトでは、約36mm x 約24mmと記載されています。
ここでは、できる範囲で厳密に扱うために小数点まで記載されているソニーのフルサイズカメラでイメージセンサのサイズを確認します。すると、イメージセンサの大きさが35.7mm(水平) x 23.8mm(垂直)であり、3:2の比率であることが確認できます。
視野角(FoV)の計算式
FoVは相似の関係から以下のように求まります。ここで、\(size\)はイメージセンサ水平/垂直/対角の長さ[mm], \(f\)は焦点距離[mm]です。
$$ FoV=2\times\arctan(\frac{size/2}{f}) [deg] $$
繰り返しになりますが、上記は通常レンズ(中心射影方式)での計算式です。魚眼レンズ(等距離射影方式)では計算式が変わりますので、その点ご留意ください。
焦点距離での視野角の変化
視野角の計算結果はこちらです。反比例のようなグラフになってます。
このままだと見にくいので、焦点距離100mm以下と以上で拡大したグラフを載せます。
代表的な焦点距離での視野角は以下の通りです。
焦点距離 | 視野角 (水平) | 視野角 (垂直) | 視野角 (対角) |
---|---|---|---|
12mm | 112.2° | 89.5° | 121.6° |
35mm | 54.0° | 37.6° | 63.0° |
50mm | 39.3° | 26.8° | 46.4° |
70mm | 28.6° | 19.3° | 34.1° |
200mm | 10.2° | 6.8° | 12.2° |
400mm | 5.1° | 3.4° | 6.1° |
600mm | 3.4° | 2.3° | 4.1° |
視野角は対角しか記載されていないことが多いですが、カメラを斜めに構えることは稀なので実際には水平や垂直の方が重要です。
画角の算出
視野角と同じように相似の関係性から、被写体距離Lでの撮影画角は、イメージセンサのサイズw,hと焦点距離fで今のように求まります。
$$ \begin{cases}W=w\times\frac{L}{f} \\H=h\times\frac{L}{f} \end{cases} $$
このように画角は被写体距離に応じて変わりますが、感覚をつかむには具体的な数値のイメージを持つことが有効です。
例えば、イメージセンサのサイズは35.7mm(水平) x 23.8mm(垂直)なので、焦点距離 x100倍の位置に3.57m x 2.38mの画角(イメージセンサのサイズ x100倍の大きさ)が写っていると考えることができます。高さ2.38mとは1.7mの人が上下に余白を残しながら全身が写る程度の画角になります。
計算式は単純なので、焦点距離の何倍の数値を覚えるかはよく撮影するシーンなどで決めるのがよいでしょうが、まずは100倍の数値は目安に調整するのが分かりやすいと思います。参考までに、各焦点距離のレンズで3.57m x 2.38mの画角(焦点距離 x100)になる被写体距離を表にします。
焦点距離 | 画角が3.57m x 2.38mになる被写体距離 |
---|---|
12mm | 1.2m |
35mm | 3.5m |
50mm | 5.0m |
70mm | 7.0m |
200mm | 20.0m |
400mm | 40.0m |
600mm | 60.0m |
実際には多少前後しますが、この数値を目安に撮影距離を決めたり、レンズを選定すると大外しはしないでしょう。
まとめ
カメラメーカーからレンズのラインナップは幅広く展開されてます。(ex. ソニーのレンズラインナップ)
レンズを選ぶ際、画角・ボケ感・明るさ・フォーカスのスピードは重要な要素になります。
このうち、視野角・画角について計算式をまとめました。レンズ選びの際の参考にしてみてください。
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